787535366
灰の地下室
二度目の失敗
灰の器が試験中に壊れてしまった。中に入れていたネズミは、癒着した炎に焼かれて黒焦げになった。突然明るい閃光が走ったが、その後は何も起きなかった。幸い、目が見えなくなったのは一時的なことだった。 新しいネズミの被検体を手に入れた。名前はイグニ。我々の救済の道を切り拓いてくれることを願う。これ以上の失敗は受け入れられない。今度は自分の命がかかっているかのごとく、灰の器が壊れないように努めよう。実際、命を落とすこともあり得るのだから。 バルタザール
ページ 1
成功だ!
エンシェントの名にかけて!ついに成功した!均衡が保たれている。被検体は眠っているが、覚醒もしている。死んでいるが、生きている!朽ち果てることもなく、過酷な時間の流れに翻弄されることもない。死せる肉体に宿る、復活の火の魂。イグニがその存在を証明してくれた。 これで生き延びることができる!耐えることができるのだ。灰の器は我々がシュラウドの中で生きる唯一の希望になる。他に選択肢はない。 バルタザール
ページ 2
恐れずに進め
成功した。灰の器は繊細な装置でまだ不安定だが、可能性と希望に満ちている。最初に入る人間は、新たな火種となる真のプロトタイプになるだろう。 ありがたいことに、鍛冶屋が志願してくれた。彼は器の中に入り…新たな目覚めの時が来るまで、眠ることになる。永遠の眠りに滑り落ちてしまわない限りは。 ひとつの時代の灰が、次の時代の種を支えることを願う。 バルタザール
ページ 3